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フィックスターズ(3687):「量子コンピュータ」と「スパコン『京』」は世界基準の証?

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我々はいま時代の大きな変化の流れの中に居ます。ありていに言えば第4次産業革命が進行している時代を生きています。

 

将棋の世界でも囲碁の世界でもAIがトッププロに勝利したのは記憶に新しい出来事かと思います。産業界でも工場自動化、ロボット技術、自動運転、ゲノム解析、医療診断といった分野等、あらゆる分野で飛躍的な進化が進んでいます。

 

その飛躍的な進化を支える技術のひとつとして、大容量の情報を高速(高効率)で処理する技術が挙げられると思いますが、「Speed up your Bussiness」をスローガンに、マルチコアプロセッサーの性能を向上させるソフト開発や関連ハードウエア販売に注力するなど、その分野に特化した事業を展開するフィックスターズ(3687)について確認してみました。

 

「量子コンピュータ」と「スパコン『京』」

当銘柄については、6月26日に「フィックスターズ、量子コンピュータを手掛ける D-Wave Systems, Inc.との協業を開始」というリリースがあり、株価は大きく上昇しました。

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リリースによると、D-Wave社とは、世界初の商用量子コンピュータを開発したカナダの会社です。Google、NASAといった最先端を行く組織がこの量子コンピュータを導入しているようです。

(前略)

D-Waveは、量子アニーリングに基づく量子コンピュータを提供するカナダ ブリテイッシュコロンビア州に 拠点を置く企業です。2011年に世界初の商用量子コンピュータとされる D-Wave One を発表し、Lockheed Martin を皮切りに Google や NASA 等、様々な企業、研究機関が D-Wave の量子コンピュータを導入しています。

(後略)

(2017年6月26日 適時開示資料より)

 

また、それに先立つ6月23日には「スーパーコンピュータ「京」が Graph500 において 5 期連続で世界 1 位を獲得 -ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析で最高の評価」というリリースを出しており、これによると、知らない人はいないスーパーコンピュータ「京」にも当社が関わっていることが分かります。

 九州大学と東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、 富士通株式会社、株式会社フィックスターズによる国際共同研究グループは、2017 年 6 月 21 日(現地時間) に公開された最新のビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ラ ンキングである Graph500 において、スーパーコンピュータ「京(けい)」*1 による解析結果で、2016 年 11 月に続き 5 期連続(通算 6 期)で第 1 位を獲得しました。

(後略)

 (2017年6月23日 適時開示資料より)

D-Wave社との協業や「京」のプロジェクトに加わることで、直ちに収益が大きく伸びるということではないようですが、当社は最先端の技術開発やプロジェクトに加わることのできる世界基準の企業であるということが窺えるのではないでしょうか。

 

マルチコアとは?

当社の事業内容をみると、セグメントは「ソフトウェア・サービス事業」と「ハードウェア基板事業」に分けられています。

まず、「マルチコア」という用語の意味ですが、当社の有価証券報告書では、マルチコア、あるいはマルチコアプログラミングについて下記のように解説しています。

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もう少し詳しく知りたい方は、外部サイトですが、下記が分かりやすく書かれています。

 これらを踏まえたうえで、各セグメントの事業内容をまとめると、

ソフトウェア・サービス事業>

マルチコアが特に性能を発揮する製造業向け組み込みシステム金融業向けのリスク計量化といった分野を中心に、ソフトウェア開発ならびに導入までのコンサルティングを行っており、最近ではストレージ市場における主要デバイスがハードディスクからフラッシュメモリへと変化している流れを受けて、フラッシュメモリを制御するソフトウェア開発にも注力

 

ハードウェア基板事業>

マルチコアプロセッサや演算ボード、大容量高速ストレージ・サーバの開発・販売を行う(自社製品である画像処理演算ボード「EigerEG-2S」は顧客の量産品の組み込み部品として長期継続して納入されている)。

  

業績は順調に拡大

業績をみると売上高を順調に拡大し、この間、利益率も改善傾向であることがうかがえます。

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主な取引先は東芝、日立製作所となっています。

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人材確保に苦戦中か

ただし、2017年9月期第2四半期決算をみると、期初予想通りとはいえ業績の減速感が感じられます。通期では二桁の増益を達成する計画ですが、やや気になるところです。

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当社の決算説明補足資料人は下記のような記載があります。

フラッシュメモリ関連を中心に旺盛な引き合いがあるも社員採用に苦戦。採用活動により多くのリソースをシフトし、優秀なエンジニア獲得に注力

(2017年9月期第2四半期決算補足説明資料より)

 四季報にも「採用担当を2人から7人に増強、現役エンジニアを採用専任とし優秀な人材確保に本腰」との記載もあります。旺盛な需要があるにもかかわらず人員がボトルネックになっている可能性もあります。

 

さて、そのようななか、本日12:00に第3四半期の決算発表がありました。

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通期予想の達成に向けてもう少し良い数字になると考えていましたが、上記の通りの増収減益となりました。同時に開示された決算説明補足資料では、ソフトウェア・サービス事業について採用活動に関する言及があります。

採用活動に注力し中途・新卒の応募状況が一部好転するも、 採用関連費用が増加して利益率を圧迫

(2017年9月期第3四半期決算補足説明資料より)

同資料には、「売上、利益ともに期初予算通り順調に推移」との記載もあるので、中長期の観点からは、それほど悲観することはないかと思いますが、一定水準以上のエンジニアを確保に苦戦する状況はしばらく続くと考えた方がよさそうです。「量子コンピュータ」や「京」がうまく当社のイメージアップに繋がるのではないかと考えています。

ちなみに、第3四半期決算発表を受けた後場は、13時過ぎに前日比▲7.0%の3,310円までありましたが引けにかけて戻し、終値は3,440円(▲3.4%)となりました。

 

機関投資家の成長期待も高い?

 直近の大量保有報告書を確認すると、下記のような機関が登場しています。アセットマネジメントOneが5%保有しているのはなかなか心強いところです。。

17年5月19日 三井住友信託銀行(筆頭提出者)等 4.61(▲0.71)%

17年3月9日    レオス・キャピタル・ワークス 7.71(+1.26)%

17年1月11日  アセットマネジメントOne  5.04%

  

一つ長い目で

最終的にこの分野で技術がどのように進化していくか、またその時に収益を拡大していける企業がどこになるかは分かりません。

かのソフトバンク孫社長のARM社の買収について、日本電産の永守会長が「社外取締役を務めているので、私もARM買収の議論の場にいた。孫さんは30年~50年先を見て、3兆3000億円も出してARMを買収した。ただ、技術革新のスピードは速いので、私にそんな勇気はない。私なら3300億円でも買わないでしょうね」と言ったのは有名な話です。 

www.nikkei.com

 結局、誰にも正解は分からない世界だと思います。そういった意味では、10年後に10バガーになる可能性を夢見ながら、懐の許す範囲で当社株を保有してみるのも面白いのではないでしょうか。

 

 

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