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ノーリツ鋼機(7744):将来は第2のソフトバンクと呼ばれるかも

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ミニラボの会社からの大転換

当社はもともとフィルム写真を現像、プリント、引き伸ばし( Development - Printing - Enlargement )するミニラボ機の世界最大手メーカーでした。しかし、フィルム写真からデジカメへの移り変わりのなかで急速に市場が縮小し、業績はじり貧となっていました。

そこで、当社は事業の大転換を図り、ノーリツ鋼機本体の持ち株会社化(2011年)、M&A などによる新規事業への展開を進め、2016年には創業の事業である「イメージング事業(ミニラボ機の製造販売)」を営むNKワークス株式会社を新設分割により譲渡しています。

 

「創薬」以外は収益化してきた

当社では17/3期から報告セグメントを変更しています。そのセグメントに従って、売上、利益の状況を確認してみます。

【セグメント別:売上高】

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【セグメント別:利益】

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現在、業績に対する影響としては「ものつくり」、「ヘルスケア」、「シニア・ライフ」がプラスで今期はいずれのセグメントも増益となっています。

最も利益貢献しているのは「ものづくり」となっており、ペン先部材で世界トップシェアのテイボー(株)が好調のようです。

ヘルスケア」では、買収による連結子会社の増加に伴い売上収益が増加したようです。また、(株)日本医療データセンター、(株)ドクターネット、フィード(株)等が安定的に成長しているようです。

シニア・ライフ」については、シニア向けの通販事業とのことで売上は伸びていないものの、効率化により増益となっているようです。

一方で「創薬」は現在のところ業績がマイナス寄与となっており、17/3期はジーンテクノサイエンス(4584)買収にかかる費用、先行する研究開発投資等によりセグメント利益は約15億円の赤字となっています。

下記の通り、当社の創薬事業はジーンテクノサイエンス(4584)と日本再生医療の2社からなります。ジーンテクノサイエンスのバイオシミラー(バイオ後続品)事業、また両社の業務提携によって進められている再生医療分野等での成果が期待されるところです(ジーンテクノサイエンスについては後日詳細に確認したいと思います)。

 

【各セグメントと主要子会社】

<ものづくり>

テイボー(株)素材開発技術を用いたペン先部材・コスメ部材等の研究開発・生産

 

<ヘルスケア>

(株)ドクターネット遠隔画像診断による放射線科業務支援サービスの研究開発・販売

(株)日本医療データセンターレセプト・データの分析・調査データの提供

フィード(株)歯科及び医療機関に対する歯科材料・医療材料の通信販売

NKメディコ(株)予防医療事業における研究開発・販売

エヌエスパートナーズ(株)医療機関に対する経営コンサルテーション

GeneTech(株)遺伝子検査サービス

(株)ユニケソフトウェアリサーチ保険薬局向けレセプト処理システム等及び医薬品データベースの開発・販売

 

< 創薬>

(株)ジーンテクノサイエンスバイオ新薬の開発、バイオ後続品の開発

(株)日本再生医療再生医療技術・製品、細胞医薬品の研究開発

  <シニア・ライフ>

(株)ハルメク   (株)全国通販シニア向け出版・通信販売等

 

 <アグリ・フード>

NKアグリ(株)水耕栽培による生鮮野菜の生産・販売

 

 <その他>

ノーリツ鋼機(株)(当社)   NKリレーションズ(合同):新成長領域進出に関する調査・投資 

  

「のれん」の大きさには注意が必要

今期は5円増配の15円と増収増益基調が確かなものになったように見える当社ですが、「創薬」については当面赤字継続なので、のれんの減損の可能性を考慮しておかなければなりません。当社だけの問題ではありませんが、IFRS採用によりのれんの減損が一気に出てくる可能性には注意が必要です。

17/3期の決算短信でのれんの状況を確認してみます。 

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「創薬」ののれんは2,234百万円ということで思ったより大きくない印象です。しかし、現在は赤字が継続中です。仮にこの半分の金額が損失に計上されれば10億円以上のマイナスになるといったイメージは持っておく必要があるでしょう。

他のセグメントののれんの状況をみると、「ものつくり」が売上102億円に対してのれんが184億円というのは、こちらは思ったより大きいという印象です。現在のところ2桁の増収増益で利益率も高いので大丈夫だと思いますが、「ヘルスケア」、「シニア・ライフ」も同じくのれんの金額が大きいので、セグメント別動向は四半期毎にきちんとチェックする必要があるでしょう。

 

PERは10倍割れ

当社の今期会社予想EPSは89.85円、5/22終値876円はPER9.7倍の水準です。低PERに放置されているのは、「創薬」が赤字継続で減損の発生も想定されているためと考えられます。しかし、実際に減損が発生しても、中長期で考えれば、そこでは押し目買いという判断でよいのではないでしょうか。

現状、「創薬」の10億円レベルの赤字を吸収し、これだけの収益を確保できる体質にまでノーリツ鋼機が進化(当社ではNK2.0と呼んでいる)したのなら、更なるM&A等により、第2のソフトバンクと呼ばれる日を期待しながら待つのも面白いと思います。  

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