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「プライマリーバランス黒字化は無理」を前提にしないと話にならない

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本日の日経新聞1面「20年度黒字化困難に~基礎的財政収支 赤字拡大8.3兆円~」で新たな財政試算が示されたことが報じられました。

そして、この記事を受けみずほ総合研究所高田創氏、立正大学教授吉川洋氏のコメントが掲載されています。

政府はPB黒字化の目標を降ろしていないですが、2020年に達成できると思っている人はいるのでしょうか。プライマリーバランス黒字化は無理を前提にした話でないと先に進まないと思います。
両氏のコメントを整理すると、

みずほ総合研究所 高田創氏
・政府は2020年度のPBの黒字化を絶対目標とするのではなく赤字幅の縮小を目指すべき
・重要なのはデフレ脱却であり、財政出動と金融緩和を続けつつ対GDP比の赤字幅の縮小を目標とすべし

立正大学教授 吉川洋氏
・今回の試算で赤字幅が拡大したからと言って2020年度のPB黒字化の旗を降ろすべきではない
・財政健全化の歩みを着実に進めることが大切で19年10月には必ず10%へ消費税を上げるべき
消費増税によって将来の社会保障への不安が薄らぐ効果が期待できる
・財政赤字にこだわらず支出を拡大する議論が盛んだが理解できない
有効求人倍率が1倍を超え、失業率が低水準なのに財政を拡大するという議論(シムズ理論)はおかしい
・政府は黒字化目標を堅持しているのに今回の試算を受けての達成への道筋を示さなかったことは残念
・社会保障をはじめとする歳出改革の努力を今まで以上に進めるべき

吉川氏の「目標を堅持しているのに道筋を示さないのはおかしい」というのは理解できますが、「消費増税によって将来の社会保障への不安が薄らぐ効果が期待できる」というのはどうなのでしょう。「国の借金が1,000兆円で財政が破たんする!」と言われているなかで不安が薄らぐとはとても思えません。増税して歳出削減(改革と書いてあるので出すべきものには出すとも読めるが)が答えなのでしょうか。

「有効求人倍率が1倍を超え、失業率が低水準なのに財政を拡大するという議論はおかしい」というのは本当におかしいのでしょうか。まさか労働需給がひっ迫しているのに財政出動したらインフレになるとかいう理由なのでしょうか?そうだとしたらデフレ脱却に有効な手段ということになる気もします。

まあ、以上は頭の体操。世の中の流れとしては、吉川氏のような立場の学者が警戒しているように、財政支出拡大の方向に進んでいると思われます。今秋にも予想される解散総選挙、19年10月の消費税10%への引き上げといった大きな節目に向けてどのような流れになるのか。エコノミスト、経済学者の議論をじっくりと拝聴したいと思います。  

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