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丸紅(8002):何とか「お約束」の増配を発表

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本日は保有銘柄の丸紅の投資妙味について再検証したいと思います。

まず、当社のビジネスについて確認するため16/3期のセグメント別の動向を確認します。

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当社の事業セグメントは表のとおりで、直近の16/3期決算では他総合商社と同様に資源価格の下落に伴う収益悪化、減損により資源分野での赤字を計上しています(石油・ガスの価格下落やチリ銅事業、豪州鉄鉱石事業の減損)。

一方、非資源分野では米穀物商社ガビロンの動向が気になる生活産業事業、ならびに当社最大の強み(当社HPより)である電力・プラント事業(世界24か国に発電資産を保有。中東・アジア・北米に注力している。発電容量は10,743MW(原発10基相当?))などが収益を引っ張っている状況のようです。 

 

ガビロンの収益は回復基調ながら伸び悩み

今期以降については、資源分野の黒字転換が収益改善の大きな要因であるのは言うまでもありませんが、生活産業セグメントにおける収益拡大、すなわち2013年7月に買収(買収価格27億ドル(2,700億円))した米穀物商社ガビロンの収益貢献が期待されるところです。同社は穀物市場で圧倒的な集荷力を持っており、

当社が弱かったバイイングパワーを手に入れたとのことでありましたが、思ったように収益をあげられていないようです。

<ガビロンに関する備忘>

15/3期には480億円の減損損失を計上(のれんの残高は700億円強)している。16/3期にも期初計画では160億円であった同社の利益目標は16年2月時点で100億円に下方修正され、最終的には39億円となった。黒字化が達成されたもののこの数値はマーケットもサプライズと受け止めたようだ。 

 

ガビロンの事業効率化をさらに進める

また、素材セグメントともかかわってきますが、ガビロンの農業資材部門を再編し、ヘレナケミカル(30年前に買収。農業資材(農薬・肥料)が取扱製品)と事業統合させて効率化を図る見通しです。

17年度以降にダウ・ケミカルとデュポンの経営統合(、バイエル(独)のモンサント(米)買収といった川上の動きへの対抗するための動きの様です。

 

 業績予想の上方修正と増配を発表

株主還元は連結配当性向25%の目標を17/3期より採用したようです。一株当たり配当は15/3期の26円がここ10年の最高値。16/3期は21円、17/3期は19円予想となっています。

16年8月の個人投資家向け説明会では「最終利益1,300億円の目標を超過達成して減配にならないようにやっていきたい」との國分社長の発言がありましたが、本日14:30に第3四半期の決算が発表され、同時に業績の上方修正と2円の増配の適時開示がありました

石油・ガス関連で415億円の減損損失を計上したことは予想外でしたが(まさかの連続の減損)、通期予想は上方修正されてQUICKコンセンサス程度に着地する見込みであるので一安心といったところです。

 

 中期経営計画達成には不安が残るが

当社は今期から始まる中期経営計画を公表しています。最終年度の19/3期の当期純利益の目標額は2,500億円でうち2,300億円を非資源分野で獲得する計画となっています。

チェックポイント1

「エネルギー・金属」セグメントは資源価格の反転とともに十分な回復を見せているか

チェックポイント2

ガビロン社の業績動向(前年比・計画比)

 ですが、今期予想は上方修正されたものの、個人的には予想外に「エネルギー・金属」セグメントで減損が発生したことは、今後に不安を抱かせるものでした。

固定資産の減損なので償却負担の減少など今後の収益にプラスにはなるので、このタイミングで落とせたことを前向きに考えることもできないことはないと思いますが・・・

ガビロンについては、この第3四半期も増益になったようですが、75億円の利益程度ではまだまだ思った程の利益が出せていないと見た方がよいでしょう。

中期経営計画どおり利益がほぼ倍増(1,400→2,500億円)なら、21円配当は38円程度になります。そうなれば700円でも5.4%の配当利回り。

今期予想の21円でもちょうど3%。当然、来期は増益予想となり、配当性向25%の方針から増配になると思われます。そうなれば当社の投資妙味も高まっていくのではないでしょうか。本決算のある5月ごろまでに、安定的に700円を超えてくる展開を期待したいと思います。

 

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